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がんの遺伝子治療

 このブログで何度もお話しているように、毎日だれでも約5,000個のがん細胞が発生していると言われています。これら異常細胞を体の免疫を担う、リンパ球系の細胞がこれらを攻撃していることも何度もお伝えしています。これを応用したものが、がんの免疫療法です。

 ところで、これらがん細胞には、50~70%の確率でp53遺伝子というものに異常が見つかっています。

 p53遺伝子とは、がん細胞などの体に不要な細胞を除去したり、必要な細胞を修復して正常の細胞に戻す役割を演じています。このp53遺伝子は、『がん抑制遺伝子』といわれ、『ゲノムの守護神』と言われる所以です(ゲノムとは、背が高いとかある病気になりやすい等のDNAのすべての遺伝情報のこと)。

 このp53遺伝子は、1979年にSV40というDNA腫瘍ウィルスによってがん化した細胞内で、SV40のウィルス遺伝子によって酸性されたウィルスタンパク質に結合する分子量53kDa(ダルトン)のタンパクとして同定されました。

 このタンパクは、癌遺伝子(正常細胞にがんを発生させるような遺伝子)であるmyc等 と同様に不死化させたり、ras遺伝子と協調して、正常細胞を眼科させることから、当初p53遺伝子は癌遺伝子の一つと考えられていました。細胞は老化することが大事で、そうしなければ臓器は永遠に大きくなってしまいます。

 ここで不死化とは、色々な技術をもちいて細胞が連続して分裂できるようにすることで、不死化細胞とは 不死化初代細胞は、突然変異によって通常の細胞老化を回避し、連続的な細胞分裂能力を獲得した初代培養細胞の派生物の事を言います。不死化と腫瘍化は紙一重の問題です。

 ところが、1989年にこのp53遺伝子が存在する第17番遺伝子染色体の領域が、多くのがん細胞で欠如していることが明らかにされました。ちょうどその頃、これまでに研究で使われていたp53遺伝子が、既に突然変異をもつ変異型のp53遺伝子であることが確認されたのです!

 逆に、正常p53遺伝子は、細胞増殖に対して抑制的に作用することbが確認され、p53遺伝子はがん細胞抑制遺伝子と結論付けられたのです。

 そこで、がん治療として、p53遺伝子の異常によって発症した癌患者さんにたいし、正常なp53遺伝子を大量投与して本来の正常細胞の機能を回復させ、がん細胞を自然消滅(アポトーシス;細胞死)させたり、がんによって侵された周囲の正常細胞を修復して回復させるために行うのが、がんの遺伝子治療です。

 抗がん剤治療や放射線治療ところ成り、がん細胞だけを選択的に細胞死に導くため、正常細胞には損傷をあたえませんから、殆ど副作用がありません。

 遺伝子の移動手段は、アデノウィルス(風邪の原因のウイルス)を利用します。これは細胞がウィルス感染するこどで、細胞内にp53遺伝子を送り込む、遺伝子治療の常套手段を用います。あどのウィルスの病原性を無くしていますが、時として風邪と同じような症状がでることがあります(発熱、吐き気など)。

 投与方法は、点滴または注射なので、至って簡便です。また、三大療法(手術・抗がん剤・放射線療法)との併用も可能です。

 このp53遺伝子治療製剤の商品名は『ゲンディシン』といい、SiBiono Gene Technologies社によって開発された遺伝子治療薬です。日本ではまだ未承認ですが、世界50カ国で使用された結果、後期扁平上皮癌の緩解率は64%であったとの報告があります。 
 
 誠敬会クリニックでは、患者さまにせ右t名と同意の下、内科医の観察下によってp53遺伝子治療を行っています。

 詳しくは、メールなどでお問い合わせください。
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