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うつ病は夫婦やカップルなどパートナーの適応障害のリスクとなるのか?

 大変残念ながら、4月22日にバイク事故で亡くなった俳優の萩原流行さん(享年62)。こころよりお悔やみもうしあげます。
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 萩原さんといえば、夫婦でうつ病を患っていたことを告白したことでも有名でした。元舞台女優の奥様のまゆ美さんは、萩原さんよりも先にうつ病を患っており、その原因について萩原さんは自身の告白本で、女性問題であったことを記しています。そして結果として、萩原さん自身も同じうつ病になってしまったことも知られています。

 ところで、カップル間において、うつ病がパートナーの適応障害のリスク因子となることが、ある大学けの研究で報告されています。しかも、この研究グループの検討では、男性の方にこの現象が当てはまったという報告でした(※Psychother Psychosomatik Medizinische Psychologic誌オンライン版2015年3月30日号、スイス・チューリッヒ大学のAndrea B. Horn氏ら)

 適応障害とは、「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています(ICD-10(世界保健機構の診断ガイドラインより)。
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 この、ICD-10の診断ガイドラインでは、「発症は通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて1カ月以内であり、ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはない」とされています。ただしストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過します。もうひとつ重要な点は、ほかの病気が除外される必要があります。統合失調症、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先されることになります。

 では、いったいどれくらいの人が適応障害になっているかというと、ヨーロッパでの報告によると、一般的には人口の1%といわれています。日本での末期がん患者の適応障害有病率の調査では、16.3%といわれています。少しはなしはそれますが、いわゆる終末医療において、本来であれば精神科や心療内科がかなり関与すべきことがわかります。

 しかし適応障害と診断されても、実際は5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています。つまり、適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もあるといえます。

 話はカップルのうつ病にもどります。

 この研究グループの報告では、うつ病そのものがパートナーとストレスの原因となっていることが示され、約1割のパートナーがうつ症状をしめしてしまっていました。
 そして、女性のパートナーがうつ症状を示した場合、臨床的に有意に適応障害のリスクが上昇したそうです。この関連は、女性パートナーがうつであった場合に限られ、男性パートナーがうつの場合はいずれの有意な関連もみられませんでした。これは、たった1症例とは言え、萩原さん夫婦の話に極めてよく似ています。

 このように、パートナーがうつ症状がある場合は、夫婦で、あるいは各々単独でカウンセリングを行い、そのリスクを排除することが重要です。

 誠敬会クリニックでは、心理カウンセラーが専門に悩みのご相談をお受けします。もちろん、夫婦であっても守秘義務を守りますので、安心してWeb等でご相談ください。匿名でもお受けしております。

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