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せん妄? 認知症? その違いはなんでしょう?

 せん妄と認知症は、認知障害の最も一般的な症状です。ご家族に高齢者の方がいたり、がんなど全身疾患で治療を受けている方がいると、認知障害を家族が経験することがあります。しかし、一般の人にはその違いが分かりにくいだけでなく、そもそも認知障害がどのよなものがありません。ここでは、その違いについて説明します。

 せん妄とは意識混濁している状態に、さらに錯覚や幻覚がみられる状態です。健康な方でも、寝ている人を強引に起こしたり、寝ぼけて寝言をいっているひとに話しかけをしたりするとこのような状態をおこします。超時間の外来手術で静脈内鎮静(うつらうつらしている状態で、寝たり起きたりしている状態)での手術時や、ICUやCCUで管理されている患者さんにも時々起こります。

 ちなみに、ICUとはIntensive Care Unitの頭字をとったもので、日本語にすると集中治療室でのことです。呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者の容態を24時間体制で管理して治療を施ることを目的とした特別な治療室です。

 HCUとはHigh Care Unitの頭字をとったもので、準集中治療室、集中管理病棟、重症患者病棟でなどで、高度で緊急を要する医療を行うための病室ですが、ICUよりは軽症な患者を収容します。

 他に、CCU (Coronary Care Unit)は 冠疾患集中治療室、SCU (Stroke Care Unit) 脳卒中集中治療室 、SICU(Surgical Intensive Care Unit)外科系集中治療室、NCU(Neurosurgical Care Unit) 脳神経外科集中治療室、NICU (Neonatal Intensive Care Unit)新生児集中治療室などがあります。

 せん妄と認知症は異なる疾患ですが、専門家でもときに鑑別が困難なことがあります。この二つの疾患は共に認知が障害されますが、認知症では主に記憶が、せん妄では主に注意力が侵されます。

 せん妄と認知症の違いを表で示します。
せん妄と認知症の違い
※メルクマニュアル18版 日本語版より

 せん妄は、急性疾患あるいは薬物毒性によって引き起こされることが多く、しばしば可逆的(治ることもある)のに対して、認知症は脳の加齢や解剖学的変化によって生じ、発症がゆっくりで、一般に非可逆的です。しばしば認知症の患者さんにもせん妄が起きます。

 高齢の患者さんでは、せん妄が慢性の認知症に併発している場合、医師はせん妄と認知症とを間違えるような判断の誤りは避けなければならないのですが、いわゆる臨床検査(血液検査・尿検査や一般のレントゲン検査)では認知障害の原因を確定できないため、詳細な病歴および身体診察ともともとの機能に関する情報の収集と専門的検査が必要です。

 また、大手術後の患者(術後せん妄)、アルツハイマー病、脳卒中、代謝障害、アルコール依存症でもせん妄はもみられます。

 高齢者の患者さんなどでは、入院した途端に急にボケてしまい(敢えてこの言葉を使わせて頂きます)、自分がどこにいるのか、あるいは今日が何月何日かさえもわからなくなってしまうようなエピソードが典型的にあります。

 治療は対症療法で、基本的には薬物をつかいます。

 誠敬会クリニックでは、国立研究機関である、「国立精神神経治療センター」との連携医療機関です。このような症状でお悩みのかた、またご家族の方は、是非Webよりご相談ください。電話でのご相談も対応いたします。

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