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がんの免疫療法の歴史とは?

 がんの免疫療法は、古くは丸山ワクチンなどがこれに当たります。後で述べますが、丸山ワクチンは1945年ごろよりできた、免疫を強くする(賦活)治療薬です。免疫療法の歴史は、この免疫力を高める薬剤、“免疫賦活剤”によって始まりました。
 担子菌から抽出した成分(シゾフィラン、レンチナン、クレスチン)、および細菌の成分(ピシバニール)が医薬品として認可され、現在でも利用されています。これらの免疫療法は、からだ全体の免疫力をとにかくあげようとするもので「非特異的免疫療法」と呼ばれています。
 これに先立つ丸山ワクチンとは、日本医科大学の皮膚科教授丸山千里が、コッホの結核菌のワクチンの開発した経緯に強い関心を持ち、「副作用につながる毒素を特定し、それをツベルクリンから取り除く」という発想の下に実験に着手して開発されたものである。開発は1945年とかなり古い。そして、丸山は結核のみならず、がん治療にワクチンを用いることを決意して開発をつづけ、余談ですが昭和40年代以降がんの特効薬との噂が一気に高まり、医薬品の承認の手続きより世論が先行することになってしまいました。現在も医薬品としては認められていませんが、これも非特異的免疫療法のひとつです。
 丸山ワクチンは、その名前に“ワクチン”の名前がついていますが、長い間免疫力を維持するワクチン機能を持っているわけではありません。丸山ワクチンを打つことによって、からだの免疫細胞が活性化するため、がん細胞を攻撃するようになると考えられています。
 これらの治療は非特異的免疫といい、どのがんを攻撃する、ということではなく、人の全身の免疫を改善して賦活し、結果として癌の治療をする、というのが非特異的がんの免疫療法です。これに対して、がんだけに免疫をして攻撃する治療法が特異的免疫療法です(以下連載つづく)。
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(吉野敏明 筆)