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バクテリアセラピーによるアレルギー治療

2015年12月09日
バクテリアセラピーによるアレルギー治療

 現在の医療は残念ながらそのほとんどが対症療法です。対症療法は頭が痛いから鎮痛剤を出す、あるいは眠れないから入眠薬や睡眠薬を出す、といった症状を原因に関係なく抑えるための治療です。

 これに対して、原因除去療法とは病気の原因そのものを治療する方法です。例えば、2型糖尿病の原因が、糖分やカロリーの過量摂取による肥満が原因であれば、その原因除去療法は、食事療法や運動療法がこれに当たります。

 ところが難しいのは免疫その物に問題がある場合です。アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性鼻炎、また癌などもそうです。

 話は少し飛びますが、原因除去療法は健康保険による治療ではできません。これは、法律上「療養に対する給付」という制限があり、病気になってからそれを治療するので、病気の予防や発症する前に原因除去をすることは保険給付が認められていないのです。人間ドックなどがその例ですよね。

 つまり、国民は健康保険での治療に慣れ過ぎて、原因除去療法という概念が無くなってしまっているのです。医者に行けば、なにかしてもらえる、なにか薬をもらえる、という環境になってしまいました。

 本当は原因除去が遥かに大切です。

 その中で、これだけ医学が発達して、経済的に豊かになって、公衆衛生も向上して清潔になっているのに増加している病気があります。逆い言えば、発展途上国ではめったに見られない病気です。

 それが、アレルギーなどの免疫異常、糖尿病、うつ病などです。現代の日本ではこれらは健康保険では全て対症療法です。だから、治らないのです。

 これらに対する原因除去療法で効果的なのが腸内フローラの改善です。良好な腸内フローラであれば、これらの疾患が殆ど起きないどころか抑制もできるからです。

 実は、腸内フローラの悪化は、インスタント食品や食品添加物、糖類の過量摂取が原因なのです。腸内細菌のエサは、我々が食べている食物そのものですから。つまり、コンビニやスーパーなどで便利で衛生的になった食生活の代償が、これらの疾患の真の原因なのです。

 そのためには、腸内フローラの改善である、プロバイオティクスセラピーが必要です。

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この図は、プロバイオティクスセラピーでアトピー性皮膚炎を治療した結果です。腸内細菌とアレルギーは実は密接な関係なのです。

 少し専門的になりますが、L.ロイテリ菌の摂取は、小腸のなかのCD4陽性T細胞の数を増加させ、集合体化したCD4陽性T細胞を増加させます。CD4陽性T細胞は重要な役割を持つ細胞であり、抗原と腸上皮の病原体に対する正常反応を制御するからです。

 誠敬会クリニックでは、きちんと糞便検査を行い、腸内フローラを調べて必要に応じて悪玉菌を抗生物質で除菌し、その上で腸内フローラを改善しやすい経口摂取する培地を飲んでいただき、さらに善玉菌であるL.ロイテリ菌を摂取するプロバイオティクスセラピーをおこなっています。

肥満と腸内フローラの関係

2015年09月29日
肥満の原因は、腸内細菌にあった!?

 TBSで当クリニックが放送され、いま話題になっている『腸内フローラ』。女優さん達も、腸内フローラを改善して病気や体調が改善するだけでなく、精神も安定しました。

 まだ、見て居ない方は、こちらから。


 さて、その腸内フローラは肥満とも大きな関連があることがわかってきました。

 マウスを使った実験では、無菌状態で育てたマウスに肥満の人と痩せた人の腸内細菌を移植し、エサや運動量は全く同じ条件で育てました。

 ここで、驚きの結果がでます。

 痩せた人の菌を与えたマウスは特に変化がありませんでしたが、肥満の人の腸内細菌を与えたマウスはどんどん脂肪が増え、太ってしまったのです!

 そして、何度同じ実験を繰り返しても、肥満の人の腸内細菌をもらったマウスは太ったのです。

 では、なぜ肥満の人の腸内細菌を移植すると太るのでしょうか?いったいどんな細菌が関与しているのでしょう?あるいはどのような物質が関与しているのでしょうか?

 キーワードは、『バクテロイデス』と『短鎖脂肪酸』です。

 脂肪酸とは油脂を構成する成分の一部です。ちなみに、サラサラしたのが油、動物の脂身の様なものを脂といい、あわせて油脂といいます。この脂肪酸の構造は、炭素が鎖のように繋がった形をしています。そのうち炭素の数が6個以下のものを短鎖脂肪酸と呼び、酢酸、プロピオン酸、酪酸などが含まれます。

 この短鎖脂肪酸は腸内細菌が作ります。抗炎症作用やエネルギー源となるなど生物にとって重要な物です。もちろん、経口摂取することも可能ですが、腸内までそのままの形で移行することが困難であり、腸内に細菌によって作ってもらうことが重要なのです。

 バクテロイデスが生成するのは短鎖脂肪酸であり、これが肥満を防ぐのです!!

 肥満の人はバクテロイデスが少ないことがわかりました。つまり、マウスを使った実験では、このバクテロイデスが少ない腸内フローラの便を移植したことにより、マウスはどんどん太ってしまったのです。

肥満とは?太る原因を解明して肥満を治す
 肥満とはどんな状態かというと、生体の脂肪細胞が脂肪を取り込む事で起きます。つまり、脂肪細胞が血管の中を流れる血液中の脂肪を取り込み続け、どんどん巨大化することが原因なのです。

 バクテロイデスが産生した短鎖脂肪酸は腸から吸収され血液中に入ると、全身の血管を経由して、体の隅々まで運ばれていきます。

 そして短鎖脂肪酸は、脂肪細胞に働きかけて脂肪の取り込みを抑止します。つまり、余分な脂肪の蓄積を抑えることで肥満を防いでいるのです。

 さらに短鎖脂肪酸にはもう一つ別の役割があります。それは筋肉などに作用し脂肪を燃焼する作用があるのです。

 脂肪の蓄積の防止と、脂肪の燃焼。このふたつによって、肥満を防いでいたのは、実はバクテロイデスなのです。

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誠敬会クリニックのデータ。肥満の方はバクテロイデスが相対的に少ない

 つまり、『肥満のコントロール=腸内細菌の種類』であり、全身のエネルギーのコントロールはなんと腸内細菌が行っていたというわけです。

 ウエストのサイズは腸内に住む特定の細菌に左右される可能性がある、実はこんな研究もある位なのです。

 肥満で悩んでいるかたは、誠敬会クリニックで腸内フローラの検査をしてみませんか?
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プロバイオティクスセラピーの術前術後

2015年09月10日
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ある、患者さまの症例です。

 この患者さまの主訴は、軟便と便秘を繰り返す、いわゆるIBS(過敏性腸症候群)の患者さまです。精神的ストレスが強くなると、下痢を繰り返していました。

 一般の消化器内科と心療内科で、下血止めと抗不安薬を投薬されていましたが、根本的な解決を希望されて来院されました。

 術前の腸内フローラ検査では善玉菌が少なく、日和見菌の割合が高いので日和見菌を活性化するために、生活習慣療法と食事療法を行い、精神的な問題の改善であるメラトニン量の増大を期待してプロバイオティクスを処方しました。

 下痢もあるので、液状のものと錠剤のものを食事間隔に併せて処方しました。

 右が術前、左が術後でプロバイオティクス摂取10日後の腸内フローラです。善玉菌の割合が劇的に増えています。緑の日和見菌の割合が減っており、日和見菌が善玉菌へシフトしたと考えられます。

 患者さまの消化器症状も10年ぶりに改善し、精神的にも非常にリラックスされたとのことです。

誠敬会クリニックの腸内フローラ検査

2015年09月02日
 誠敬会クリニックでは、今話題の腸内フローラを検査することが出来ます。細菌の検査だけでなく、免疫物質のIgAも測定でき、総合的な腸の検査が可能です。
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 グラフの1番下の青の部分がビフィズス菌群、その上の黄色の部分が乳酸菌群で、この2つの部分が善玉菌です。さらにその上の緑の部分がバクテロイデス群でいわゆる日和見菌、さらにその上のオレンジ、ピンク、紫、赤の部分がクロストリジウム群(ウェルシュ菌、ボツリヌス菌等)の悪玉菌です。

 たとえば、患者Bさんは善玉菌の量は多いのですが、圧倒的にIgAが少なく、腸表面の粘膜層に善玉菌が常在していない可能性が問題です。免疫細胞の量を増やすためのプロバイオティクス処方が有効な可能性があります。

 一方、患者Aさんは善玉菌が少なくいものの、免疫物質であるIgAの値は高いので、高い割合の日和見菌のを食事療法などで活性化させて、善玉菌を増やす。もちろん、プロバイオティクスも善玉菌を増やす目的で有効です。

(吉野敏明 筆)

我々は腸内細菌と一体となって一つの生命体

2015年09月01日
 我々の腸内には、沢山の細菌が住んでいます。そのなかには善玉菌・悪玉菌・日和見菌など、様々な菌がすんでいます。

 腸内細菌の多くは嫌気性細菌であり、これらの発生の起源はなんと25億年も前。人類がこの世にでてからわずか600万年。脊椎動物の祖先が発声したのも6億5千万年前といわれていますから、生命体としては我々より遥かに先輩です。

 むしろ、25億年も前から地球に住んでいるこの微生物を住まわすために、我々の体があるといっても過言では無いかもしれません。腸内環境は嫌気性(酸素に乏しい)です。当時の地球は嫌気性の環境でした。しかし、6億5千万前くらいからは、現在のように大気中の酸素は約20%。

 これは、葉緑体を持つ微生物進化してうまれ、これらが太陽光を使って十数億年かかって酸素を産生したおかげです。

 つまり、腸内は25億年まえの地球の姿なのです。
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 我々人間、いや生物全は、バクテリアを運ぶ乗り物…

 じつは、そうでもないのです。我々には「腸管免疫」というものがあり、生物に必要なものと不必要なものを選別するシステムがあります。

 空腸動物という原始的な動物がいます。イソギンチャクなどがこれにあたります。

 イソギンチャクは、なんと腸だけの動物で、目も耳も足もありません。中枢、つまり脳もありません。

 からだは副交感系神経が張り巡らされているだけです。

 イソギンチャクは、口と肛門が同じところで、腸の袋だけの構造です。食べ物は腸にいきなりはいり、消化酵素で分解して吸収します。

 このときに、体に不要あるいは異物は排泄して取り込みません。これを腸管免疫といい、もっとも原始的な免疫といわれています。

 当然、同じ機構が我々人間にもあります。

 腐ったものなど、からだに不要なもの、毒がはいるとおなかを下して排泄するのも、腸管免疫の働きです。

 同様に、体に必要な腸内細菌、不必要な腸内細菌もじつは腸管免疫で選別しているのです。

 我々は、細菌に規制されているのではない、じつは細菌を選別しているのです!!

 腸管からは、IgAという免疫物質(抗体)が産生されます。一般に、抗体は異物と結合して排除する目的で産生されます。これを液性免疫といいます。直接、マクロファージのような貪食細胞が異物を食べて消化して排除するものを細胞性免疫と言います。

 通常は、この細胞性免疫によって貪食された抗原を情報から、ヘルパーT細胞のところに、「〇〇という抗原が入ってきたから、この情報をもとに抗体を作ってください」とこんどはB細胞に抗体産生の指令を出します。これを抗原抗体反応といい、特定の抗原に対する免疫ですから、特異的免疫ともいいます。

 この抗体のなかには、IgA(免疫グロブリンA)、IgG、IgEなどがありますが、腸管からはIgAが出て、腸内フローラに必要な細菌にこのIgAを使ってマーキング(標識)をします。

 これらのIgAによってマーキングされた細菌だけが、腸の粘液層というところに入れるのです。
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 この選ばれた細菌だけが、腸内フローラとして選ばれ、消化吸収のみならず、精神や癌の抑制などにも寄与しているのです。

 つまり、我々人間は、細菌に支配されているのではなく、細菌を選別して制御し、腸内細菌と共にあたかも一つの生命体のように生きているのです!!
(この項、続く)

(吉野敏明 筆)

世界最新鋭、カプセル型内視鏡による腸の検査②

2015年08月23日
 前回のブログでカプセル型内視鏡について述べましたが、今回はその続編です。
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 小腸は長らく「暗黒大陸」と呼ばれていました。内視鏡などでは直接とどかないため、小腸疾患の診断・治療は消化器疾患の中でも最も後れをとっていたのです。そのため、小腸の病変診断は小腸造影検査やCTなどのX線診断に頼らざるを得ませんでした。

 ところが、近年開発された小腸カプセルの登場によって小腸診断が激変したのです。

 通常のお薬よりやや大きい2㎝大のカプセル型内視鏡を患者さんに飲みこんでもらい、全長6~7mと長い小腸の粘膜を観察でき、その結果、今まで原因不明とされていた消化管出血や腹痛の診断が、患者さんへの負担なく簡便に行えるようになりました。

 原因不明の消化管出血や、原因不明の腹痛、下痢などで小腸疾患が疑われる場合に適応となります。

 腸が狭くてカプセルが詰まることなどが危惧されますが、現在のカプセルは、体内で崩壊して影響を与えないダミーカプセルを用い、30時間後までに肛門から排泄されることを確認してから応用します。


 万一、狭窄部にカプセルが停滞した場合においても100時間~200時間以内にカプセルは自然崩壊するようになっているので安全です。

 誠敬会クリニックでは、消化器専門の小島常信医師がおります。原因不明の下痢などでお悩みの方は、お気軽にお尋ねください。

世界最新鋭、カプセル型内視鏡による腸の検査

2015年08月22日

 内視鏡検査(上部・下部)を受けたかたはいらっしゃいますか?

 上部内視鏡では嘔吐感、下部内視鏡では浣腸をしたり…

 もちろん、がんの検診のためには必要ですし、重要です。

 しかし、食道・胃や十二指腸、あるいは直腸や大腸と違い、小腸の内視鏡検査は難しいです。

 そこで、当誠敬会クリニックが導入しているのが、カプセル型内視鏡です。検査はごく簡単。なんと風邪薬のようにカプセルを飲むだけです!

 このカプセルから腸内のデータが送られ、あとで通過した場所とその内部の動画を見れるのです!

 痛みゼロ、通院なし! 

 誠敬会クリニックでは、カプセル内視鏡検査を受け付けております。保険外診療ですので、事前のカウンセリングが必要です。

(吉野敏明 筆)

サイコバイオティクス 腸内細菌と精神の関係

2015年08月21日
 最近は腸内フローラの改善が、下痢や便秘などの胃腸症状だけでなく、免疫にも良い影響があることがわかっています。これらを、抗生物質などで悪玉菌を殺すアンチバイオティクス(抗細菌治療)にたいし、プロバイオティクス(善玉菌を増やす治療)という考え方が最近主流になりつつあります。

 当診療所でも、各種プロバイオティクスを組み合わせる独自の処方によって、様々な改善をおこなって、患者さまからは感謝の声を多数いただいております。

 ところで、精神的な問題と思われることが実は胃腸の状態によって引き起こされている可能性があることがわかってきています。

 たとえば、うつ病の原因はセロトニンがほとんど脳内に存在しないことで引き起こされていることが分かっています。

 しかし、脳内ホルモンであるセロトニンの90%が腸に存在し、脳の中のセロトニンはわずか2%にすぎないことはあまり知られていませんでした。

 セロトニンとは、トリプトファンという必須アミノ酸が5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)に代えられ、腸内細菌によって脳内に送られるのです。

 セロトニンとは、幸せホルモンといわれ、歓喜や快楽を伝えて幸せを感じる脳内物質であり、人間の精神活動に大きく関与しています。

 腸内細菌が存在しないと、セロトニンなどの脳内物質を作り出すことが出来なくなるのです。

 過敏性大腸症候群など、ストレスで下痢をおこすという病気がありますが、実は脳が腸をコントロールしているのではなく、腸が脳をコントロールしていると言うのです。それは、脳を動かしている「神経伝達物質」の元を作っているのが腸だからなのです。


 腸内細菌が脳の中の、いろいろや神経伝達物質の元を作っていることがだんだんわかってきています。

 うつ病というのは、脳の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンが足りなくなってくる病気です。それを腸内細菌が作ることによって、それが脳に影響を与えてうつ病が改善する、と考えられます。

 当クリニックでも、精神症状に悩み、また腸内環境のわるい患者さまにたいして、プロバイオティクスセラピーをおこなったところ、両方の改善が著しく現れました。患者さまな長年続いた下痢と便秘の繰り返し、うつ症状から改善され、涙を流してよろこんでいました。これら、善玉菌による精神の治療を、

 サイコバイオティクス

 といいます。

 これら、脳の中に存在する神経伝達物質で、“幸せ物質”なるものを作る工場が腸の中にあると、東京医科歯科大学の名誉教授である藤田紘一郎博士が述べられています。

 胃腸症状と精神的なストレス、またこれによる喰いしばりや逆流性食道炎などは、全て胃腸と心とが絡み合う、腸内細菌による病気なのかもしれません。

(吉野敏明 筆)

腸は下痢など消化器症状だけでなく、肥満や自己免疫疾患や精神疾患にも影響

2015年07月30日
 腸は消化器科んでありますので、問題を起こすと下痢や便秘などの症状が出ます。

 しかし、腸は消化器であるだけでなく、第二の脳といわれるくらい、自律神経系が多くある頃でもあります。

 そして、腸には多くの細菌が生息し、その数は500兆~1000兆個、重さは1.5キログラムにもなります。その種類も1000種類以上といわれています。

 これだけ多数の細菌がいるわけですから、私たちの健康に大きな影響を与えているのは間違いありません。お通はもちろん、最近では美肌やダイエットにも「腸内細菌の改善を」といわれるほどです。

 人間のの細胞総数は60兆個です。これでも大変な数なのですが、腸内の細菌数はこの10~100倍以上多いわけですから、非常に大きな影響を私達はうけています。

 そして、我々は腸内細菌によって、消化器症状だけでなく、肥満や自己免疫疾患や精神疾患にも影響することがわかっています。
(以下、次の号に続く)

(吉野敏明 筆)

胃がんとピロリ菌の関係ー消化器専門の小島ドクターがおりますー

2015年07月16日
 みなさん、ご存知のようにピロリ菌は胃潰瘍だけでなく、胃がんのつよいリスクであり、除菌が推奨されています。

 マーストリヒト・アジア太平洋コンセンサスガイドラインでは、胃がんの既往のある患者さんへのピロリ菌の除菌を強く推奨しています。

 ところで、胃の切除を受ける際、ピロリ菌の除菌が先なのでしょうか、それとも切除後に除菌をするのが良いのでしょか?

 がん研有明病院の本多通孝氏らは、胃切除術を受ける患者への適切な除菌のタイミングを調べました。

 その結果、術前群と術後群で除菌成功率が同等であり、著者らは、「胃切除を予定している胃がん患者は、予定されている再建術式に関係なく、術前の除菌は必要ない」と結論しました※。

 除菌治療は、一般的な3剤併用療法(ランソプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン)で実施した。術前群では、除菌治療後に手術を実施、術後群では術後8日後に実施しました。
 
主要評価項目は、残胃で除菌成功を達成した患者の割合であった。除菌成功の定義は、術後6ヵ月時点でC13尿素呼気試験および便中抗原とも陰性の場合とした。

 除菌成功例の割合は、術前群と術後群でそれぞれ68.6%対69.4%(p=1.000)で、2群間でほぼ同等でした。

 ここで重要なのは、除菌の術前術後の問題ではなく、胃の切除をする前にきちんと予防や検診をしていることです。

 誠敬会クリニックでは、消化器外科専門医の小島ドクターがおります。

 ぜひ、大病になるまえに健康診断を受診しましょう。


※Honda M, et al. J Am Coll Surg. 2015 Apr 8.